ヤマハ指導グレード5級の試験内容やレベルについて解説

ヤマハ指導グレード

はじめまして、よしさかと申します。

現在はピアノ講師+Webライターとして働いています。

ピアノ講師の仕事を始めたいけど、音大を出てないし、コンクール経験も資格も持っていなかった私…

そこでまずはヤマハ指導グレード5級を取ろうと決意します。

そして4か月間の勉強の結果、2022年4月に無事に合格しました。

ここではヤマハ指導グレード5級について詳しく解説していきます。

  • 将来的に音楽の指導者を目指す人
  • ヤマハに通っていないので試験について知りたい人
  • 音楽大学を卒業してないけど受験してみたい人

こんな人は参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

ヤマハ指導グレードとは

一般財団法人ヤマハ音楽振興会が制定した検定であり、指導者を目指すための試験となっています。

実際に音楽を指導するにあたり必要な音楽の諸能力、知識等を審査するもので、実技試験と筆記試験から構成されています。

ヤマハ音楽能力検定(指導グレード5・4・3級)要項2022年4月改訂版

指導グレードには5級・4級・3級があり、一番レベルが高いのは3級です。

ヤマハ指導グレード5級の試験内容について

試験を受けるにあたって、日程や内容を把握し余裕をもっておきましょう。

試験日程

受験される際は必ずスケジュールを確認して、受験日を決めてください。

日程は会場によって異なります。会場は全国に9ヶ所あります。

札幌・仙台・東京(目黒)・新潟・名古屋(伏見)・浜松・大阪(なんば)・金沢・福岡(西新)

東京(目黒)や大阪(なんば)の会場は月2~3回行われますが、それ以外の会場では月1回あるかないかの頻度です。

スケジュールは3月に5月~10月分9月に11月~翌年4月分が発表されます。

受験の申し込みは試験日1ヶ月前からできます。試験会場の定員に達した場合、受付が締め切られてしまうこともあるので、早めに申し込みをしておきましょう。

試験日10日~1週間前に届く受験票には試験時間が記載されているので、よく確認しておきましょう。

試験科目と配点

ヤマハ指導グレード5級の試験科目は以下の通りです。

科目配点
実技試験ソルフェージュ
・メロディー視唱(50点)
・ひきうたい(50点)
100点
鍵盤実技
・伴奏づけ(50点)
・移調奏(50点)
100点
筆記試験聴音100点
楽典100点
コード進行法100点
合計500点

合計点 375 点以上、かつ各科目の得点が 60点以上あれば合格です。60 点未満の科目は失格となり、たとえ合計 375 点以上を取っても合格とはなりません。

したがってどの科目も満遍なく勉強する必要があります。

試験内容と流れ

実技

実技では受験者1人に対して、試験官2人が審査を行います。試験部屋に入ったら受験証を渡し、グランドピアノの前に座るよう指示されます。

試験時間は10分程度です。最後には講評をいただくので、今後の参考にしましょう。

メロディー視唱

8小節程度のメロディーを初見で歌います。ドレミ唱、ラララ唱など歌い方は自由です。

15 秒程度の予見をしたら、試験官の指示に従って始めてください。その際、主和音もしくは開始音をピアノで1度だけ確認できます。

  • 指定のテンポで、正しい音程・リズムで歌えること
  • 楽譜に記載されているアーティキュレーションを伴って歌えること
ひきうたい

12 〜16 小節程度のコードネームに従ってピアノで両手伴奏しながら、メロディーを初見で歌います。メロディー視唱と同じく歌い方は自由です。

15 秒程度の予見をしたら、試験官の指示に従って開始します。その際も、主和音もしくは開始音をピアノで1度だけ確認できます。

課題どおりの長さで演奏をし、課題にない前奏をつけてはいけません。

ただし冒頭が休符で始まる課題は、前奏か伴奏リズムを先行させてから歌に入りましょう。

  • 指定のテンポで、正しい音程・リズムで歌えること
  • コードネームに従って、適切な和音進行、和音の配置、伴奏形で演奏できること
  • 楽譜に記載されているアーティキュレーションを伴って、歌と伴奏のバランスに配慮して歌えること
伴奏づけ

8小節のメロディーにピアノで伴奏をつけます。最初にメロディーだけを演奏し、次にメロディーに適切な伴奏をつけて演奏します。

予見時間は与えられません。

  • 正しい和音づけがされており、適切な低音進行ができていること
  • メロディーに対して、適切な伴奏形・配置で演奏されていること
  • 楽譜に記載されているアーティキュレーションを伴った演奏であること
移調奏

8小節程度の課題を、定められた音程に従って移調して演奏します。移調の範囲は長2度・短2度・完全4度・完全5度のそれぞれ上下となります。

最初に課題を楽譜通りに演奏します。次に指定されている音程に従って移調して演奏します。予見時間は与えられません。

  • 指示通りの調に移調し、正しい音・音程・リズムで演奏できること
  • 指定されたテンポで演奏できること
  • 楽譜に記載されているアーティキュレーションを伴った演奏であること

聴音

4小節程度のメロディーと低音を楽譜に記入し、和声はコードネームもしくは和音記号を解答します。

調性とその調の主音はあらかじめ与えられます。ただし拍子は与えられないので、何拍子かは各自で判断しなければなりません。

各30秒程度の間隔で全体を通して5回演奏されるので、この間に書き取ります。

試験時間は20分です。ただし15分経つと、全員終わったか一度確認が入ります。もし全員が終わっていたら15分で終了になりますが、一人でも終わってない人がいれば20分で終了になります。

筆記

5級では音階、和音、音程、調性の判別、正しい記譜法など、音楽全般の知識が問われます。

試験時間は60分です。終わったら退出することも出来ますが、その場合戻ることはできないので気をつけてください。

楽典

楽典では以下の問題から出題されます。

  • 音階、和音、リズム、音程、比較的よく使われる記号、楽語などの全般的知識
  • 楽譜、記号等の正しい書き方
  • 抽出された楽譜の一部による調性判別
コード進行法A

メロディーにふさわしいコードネームと低音を記入します。使われる和音の種類は主要3和音、属7、副3和音、これ以外の和音を適宜に使用することもできます。

コード進行法B

コードネーム付きのメロディーにカウンターラインを記入します。カウンターラインとは対旋律の素になるラインのことです。カウンターラインの音価は記載されてるコードに準じます。

ヤマハ指導グレード5級のレベル

問題のレベルは音楽大学入試レベルと同じくらいだとされています。

実技も筆記も基本的な問題が多いので、問題集を繰り返し解けば独学でも十分に合格できます。

また、一般財団法人ヤマハ音楽振興会では合格率の発表はされておりません。

まとめ

今回はヤマハ指導グレード5級について解説しました。

ポイントは以下の通りです。

  • 試験日程は会場ごとに異なるので、スケジュールを確認する
  • 合計点 375 点以上、かつ各科目の得点が 60点以上あれば合格なので満遍なく勉強する必要がある
  • レベルは音楽大学入試レベルと同じくらいである

受験される方はぜひ参考にしてみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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